アフィリエイトの収入から経費を引いた金額がある一定の金額を超えると所得税の確定申告をする必要があります。所得税法上の所得には10種類あり、アフィリエイトの所得は事業所得か雑所得のどちらかに該当します。こちらのページではアフィリエイトの所得が事業所得か雑所得か判断するための基準についてご説明します。アフィリエイトの確定申告をする必要がある方はご参考にしてください。
<目次>
1.事業所得と雑所得の違い
1-1.損益通算ができる
1-2.青色申告特別控除が受けられる
2.アフィリエイト収入は事業所得と雑所得のどちらか
2-1.アフィリエイト収入に継続性があるか
2-2.アフィリエイト収入が事業的規模か
2-3.事業として客観的に成立しているか
3.事業所得か雑所得か税務署に相談する
目次
1.事業所得と雑所得の違い
まず、事業所得と雑所得の違いについてご説明します。事業所得とは事業によって得た所得のことです。雑所得とは他の所得区分に該当しない所得のことです。所得を雑所得ではなく事業所得として申告した場合のメリットを2つご紹介します。
1-1.損益通算ができる
損益通算とは赤字の所得と黒字の所得を合算して総所得を減らすことができる制度のことです。例えば、アフィリエイトで30万円の赤字が発生し、不動産で100万円の黒字が得られたとします。アフィリエイトの所得を事業所得として申告した場合、100万円の不動産の黒字から30万円のアフィリエイトの赤字を差し引くことができますので、100万円−30万円で70万円に対して所得税が課税されます。
アフィリエイトの所得を雑所得として申告した場合は損益通算ができません。不動産の黒字分である100万円に対して所得税が課税されることになります。損益通算について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
確定申告の損益通算のやり方
1-2.青色申告特別控除が受けられる
アフィリエイトの所得を事業所得とした場合、青色申告で確定申告をすることができます。青色申告で確定申告をすると青色申告特別控除を受けることができますので、アフィリエイトの所得から65万円を控除することができます。なお、アフィリエイトの所得を雑所得とした場合は白色申告で確定申告をすることになります。青色申告のメリットについて詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
青色申告の5つのメリット
2.アフィリエイト収入は事業所得と雑所得のどちらか
アフィリエイト収入を事業所得として青色申告をすると税金面で様々な優遇措置があります。しかし、アフィリエイト収入を事業所得とするには税務署にアフィリエイトを事業として取り組んでいるとみなされる必要があります。
アフィリエイト収入がほとんどないのに事業所得として青色申告をすると税務署に指摘されてしまう可能性があります。ただし、税法に事業所得となるかどうかの基準が定められているわけではありません。実務上は以下の3つの基準に照らし合わせて判断するケースが多いようです。
2-1.アフィリエイト収入に継続性があるか
アフィリエイト収入が単発である場合は事業所得として認められない可能性が高いでしょう。毎月アフィリエイト収入が入ってくるなど、継続的にアフィリエイト収入が入ってくる場合は事業所得として認められる可能性があります。
2-2.アフィリエイト収入が事業的規模か
アフィリエイトで生計を立てられるほどの収入があれば事業的規模とみなされ、事業所得として認められる可能性が高いでしょう。アフィリエイト収入が10万円〜20万円ほどであれば生計を立てられるほどの収入ではないとみなされ、事業所得とみなされない可能性があります。
2-3.事業として客観的に成立しているか
サラリーマンが副業としてアフィリエイトに取り組んでいる場合は事業所得として認められない可能性が高いでしょう。本業はサラリーマンであり、アフィリエイトは客観的に事業として成立していないとみなされるからです。
3.事業所得か雑所得か税務署に相談する
事業所得か雑所得か判断するための基準が明確に定められているわけではありませんので、ご自身で判断するのが難しい場合は管轄の税務署に確認しましょう。なお、担当者の名前や相談内容についてメモを取っておくことをおすすめします。万が一税務調査が入り、確定申告の内容について指摘された場合は事前に担当者に相談していたことを伝えると良いでしょう。