所得税の計算方法は所得の種類によって異なります。そして、赤字の所得と黒字の所得を合算して総所得を減らすことは原則的に認められていません。しかし、例外的に赤字の所得と黒字の所得を合算して所得税を下げられる場合があります。
赤字の所得と黒字の所得を合算して総所得を減らすことを「損益通算」と言います。こちらのページでは損益通算についてご説明します。個人事業主の方で節税したい方はご参考にしていただきますと幸いです。
<目次>
1.損益通算とは
2.損益通算の順番
目次
1.損益通算とは
損益通算とは赤字の所得と黒字の所得を合算して総所得を減らすことができる制度のことです。損益通算ができる所得は以下の4つです。なお、一時所得、雑所得は損益通算の対象外です。
・事業所得
・不動産所得
・総合課税の譲渡所得
・山林所得
2.損益通算の順番
まず、給与所得・配当所得・利子所得・総合課税の雑所得を足し合わせて、合計額から事業所得と不動産所得の赤字分を引きます。まだ赤字が残る場合は総合課税の譲渡所得から赤字分を相殺し、それでも赤字分がある場合は一時所得から差し引きます。
まだ赤字分がある場合は山林所得と損益通算をおこない、それでもまだ赤字分がある場合は退職所得と損益通算をおこないます。なお、分離課税の雑所得や譲渡所得で黒字がでていたとしても、他の所得との損益通算をおこなうことはできません。分離課税について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
分離課税とは