こちらのページでは敷金と礼金の勘定科目と仕訳方法についてご説明します。なお、敷金のことを保証金という場合があります。
<目次>
1.敷金(保証金)の勘定科目と仕訳方法
1-1.敷金(保証金)が返還される場合の勘定科目と仕訳方法
1-2.敷金(保証金)が返還されない場合の勘定科目と仕訳方法
2.礼金の勘定科目と仕訳方法
2-1.礼金が20万円未満の場合の勘定科目と仕訳方法
2-2.礼金が20万円以上の場合の勘定科目と仕訳方法
目次
1.敷金(保証金)の勘定科目と仕訳方法
賃貸物件は退去時に入居前と同じ状態にしなければいけません。元の状態に戻すための費用のことを原状回復費用と言います。入居時に原状回復費用のためのお金をあらかじめ大家さんに渡す必要があるのですが、このお金のことを敷金(保証金)と言います。
1-1.敷金(保証金)が返還される場合の勘定科目と仕訳方法
契約内容に「敷金から原状回復費用を除いた金額を返還する」と明記されている場合、契約時に資産として処理します。そして、退去時に修理代金を修繕費として計上し、戻ってきたお金を普通預金で処理します。敷金が10万円、修理代金が7万円、3万円が返還された場合の仕訳方法は以下のとおりです。
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借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
契約時 |
敷金 |
100,000 |
普通預金 |
100,000 |
退去時 |
修繕費
普通預金 |
70,000
30,000 |
敷金 |
100,000 |
1-2.敷金(保証金)が返還されない場合の勘定科目と仕訳方法
契約内容に「敷金は返還されない」と明記されている場合があります。その場合は「支払手数料」という勘定科目で経費として計上することができます。ただし、敷金が20万円以上の場合は「長期前払費用」の勘定科目で資産として処理します。敷金が10万円の場合の仕訳方法は以下のとおりです。
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借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
契約時 |
支払手数料 |
100,000 |
普通預金 |
100,000 |
2.礼金の勘定科目と仕訳方法
礼金とはお礼として大家さんに渡すものですので返還されることはありません。礼金の仕訳は金額が20万円未満か20万円以上で異なります。
2-1.礼金が20万円未満の場合の勘定科目と仕訳方法
礼金が20万円未満の場合、「支払手数料」の勘定科目で仕訳します。礼金が15万円の場合の仕訳方法は以下のとおりです。
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借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
契約時 |
支払手数料 |
150,000 |
普通預金 |
150,000 |
2-2.礼金が20万円以上の場合の勘定科目と仕訳方法
礼金が20万円以上の場合、「長期前払費用」の勘定科目で仕訳します。契約期間が5年以上の場合は5年で償却し、契約期間が5年未満の場合は契約期間で償却します。礼金が30万円、契約期間が2年の場合の仕訳方法は以下のとおりです。
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借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
契約時 |
長期前払費用 |
300,000 |
普通預金 |
300,000 |
1年後 |
支払手数料 |
150,000 |
長期前払費用 |
150,000 |
2年後 |
支払手数料 |
150,000 |
長期前払費用 |
150,000 |