日本は国民皆保険制度ですので日本人全員が公的医療保険に加入しています。公的医療保険に加入すると病気やケガ、出産などの際に医療給付や手当金を受け取ることができます。公的医療保険の代表的なものは健康保険と国民健康保険です。こちらのページでは健康保険と国民健康保険の違いについてご説明します。
<目次>
1.健康保険とは
1-1.協会けんぽ
1-2.組合健保
2.国民健康保険とは
3.健康保険と国民健康保険の違い
3-1.保険料の計算方法
3-2.健康保険だけにある制度
4.健康保険と国民健康保険に共通する制度
4-1.医療費の自己負担割合
4-2.出産一時金
4-3.高額療養費制度
目次
1.健康保険とは
健康保険とは会社勤めをしている従業員や事業者の方が加入する公的医療保険です。健康保険には「協会けんぽ」と「組合健保」の2種類があります。
1-1.協会けんぽ
協会けんぽとは健康保険の適用事業所に勤める中小企業のサラリーマンが加入する健康保険です。加入者の扶養家族も加入することができます。協会けんぽの正式名称は「全国健康保険協会」と言い、2008年に設立された法人です。
1-2.組合健保
組合健保とは企業が単独、あるいは共同で設立した健康保険組合が運営する健康保険です。社員数700人以上の企業は自分の会社だけで健康保険組合を設立することができます。複数の企業が共同で健康保険組合を設立する場合は3,000人以上が必要です。組合健保の正式名称は「組合管掌健康保険」と言います。
2.国民健康保険とは
国民健康保険とは自営業者や無職の方が加入する公的医療保険で、地方自治体が運営しています。国民健康保険には扶養という考え方がなく、家族全員が被保険者となり、それぞれの保険料を払う必要があります。例えば、妻と子供2人を養っていた場合、健康保険であれば1人分の保険料で済むのですが、国民健康保険であれば4人分の保険料を支払わなければいけません。
3.健康保険と国民健康保険の違い
健康保険と国民健康保険の違いについて2つご紹介します。
3-1.保険料の計算方法
健康保険の場合、給与金額に応じて勤務先が保険料を計算します。なお、保険料の半分を勤務先が負担します。国民健康保険の場合、市区町村が前年の所得と家族の人数に応じて保険料を計算します。国民健康保険料は全額自分で負担する必要があります。
3-2.健康保険だけにある制度
健康保険には出産手当金と傷病手当金の制度があります。出産手当金は出産前42日間と出産後56日間、出産のため仕事を休み、給与がない場合に支給されます。傷病手当金は業務外の事由による病気やケガで4日間以上仕事ができない場合に支給されます。
4.健康保険と国民健康保険に共通する制度
健康保険と国民健康保険に共通する制度を3つご紹介します。
4-1.医療費の自己負担割合
病気やケガで病院に行った時、保険証を提示することで医療費の一部を負担するだけで診療を受けることができます。義務教育就学前であれば自己負担は2割、義務教育就学後から70歳未満であれば自己負担は3割です。70歳以上で所得が年間約370万円未満であれば自己負担は2割ですが、平成26年4月1日までに70歳に達している方は自己負担が1割となります。
4-2.出産一時金
出産一時金とは妊娠4ヵ月以上の出産で、一児につき42万円支給される制度です。出産後に受け取ることもできますが、出産費用から出産一時金を差し引いて医療機関に支払うという形で出産一時金を受け取ることが可能です。
4-3.高額療養費制度
高額療養費制度とは1ヵ月の間に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合に超過分が戻ってくる制度です。例えば、30歳で標準報酬月額が40万円の場合、自己負担限度額は80,100円+(医療費-267,000円)×0.01です。医療費が40万円かかった場合の自己負担限度額は801,00円+(400,000円-267,000円)×0.01で81,430円となりますので、318,570円が戻ってきます。